リハビリテーション科

最近では、「十分なリスク管理のもと、できるだけ発症後早期から積極的なリハビリテーションを行うことが強く勧められる(グレードA※)。 又、脳卒中ユニット、脳卒中リハビリテーションユニットなどの組織化された場で、リハビリテーションチームによる集中的なリハビリテーションを行い、早期の退院に向けた積極的な指導を行うことが強く勧められる(グレードA※)」と脳卒中ガイドラインにもあるように、急性期でのリハビリに対する介入時間は非常に重要です。
当院は92床のベッド数に対し、リハビリスタッフはPT:15名、OT:9名、ST:4名の計28名(令和4年度実績)が在籍しております。当院でのリハビリテーション科は、発症された時から患者様に十分なサポートと治療ができるよう、環境を整えております。

※グレードAとは、脳卒中ガイドラインにも記載されている、「根拠のある治療・評価を意味します。」

令和2年3月より訪問リハビリテーションを行っております。

担当者からのメッセージ

矢木脳神経外科病院は、脳卒中にも特化した急性期病院です。しかし、急性期だからと言って、リスク管理だけではありません。平成26年度の診療報酬改定では、急性期においても在宅復帰率を求められています。本来は急性期から在宅生活までを包括してみていかなければ、患者様の生活をサポートすることはできません。だからこそ、急性期から在宅生活を想定し、その方にあったリハビリテーションを行わなければいけません。 最近では、さまざまなリハビリテーションの内容があり、科学的な根拠を基に発展してきております。しかし、いまだ確立された内容はなく、各々の病院によって内容は異なります。当院では、PT・OT・STが各専門領域を活かしながら、一人の患者様の症状に合わせて個別性を大事に進めております。麻痺や機能的な問題がある方は、機能的アプローチを。認知的な問題がある方は、環境調整から関わり方まで。その方やご家族様のニーズに合わせてリハビリテーションを行います。 私達は専門職としてスペシャリストを目指すとともに、一人の人間として心から患者様・ご家族の方々をサポートしていきます。

街中で「リハビリテーション」という看板を数多く目にします。皆さんは、この言葉を聞いて何を想像しますか?体を強くする、病気や怪我をした所を治す…。などさまざまなイメージをお持ちだと思います。では、「脳卒中のリハビリ」は?いったい何をするのでしょうか? 実は、今現在この内容に対してさまざまな協議がなされています。エビデンスに基づいた内容であったり、各々の病院での専門的治療(徒手的なアプローチ、他)などがあります。 当院では、脳卒中に対して、神経学的背景を基にリハビリテーションを行っております。例えば、麻痺が出たら、状態によっては関節を動かすことはできません。では、筋肉や関節を動かすことだけでその症状は改善するでしょうか?私たちはすべて脳からの指令に基づいています。そうです、脳に対してリハビリを行わないと、脳卒中における麻痺はよくなりません。症状は、脳梗塞や脳出血を起こした場所により異なります。これらのことをふまえながら、固定概念にとらわれず、常に柔軟な対応を心がけております。

リハビリテーション

リハビリテーション科

当院のリハビリテーション科は、SCU(脳卒中集中治療室)を有する脳卒中の中核病院として、地域の方々に信頼される医療機関としての役割を果たしています。また整形外科や総合診療科を併設しており、幅広い疾患に対して適切なリハビリテーションを提供しています。最新の診療ガイドラインに沿ってEBM(根拠に基づく医療)をベースに、NBM(対話に基づく医療)の観点にも配慮し、患者様の状態に合わせた最適なリハビリテーションプログラムを提供しています。

当院には、認定理学療法士をはじめとする高度な知識と技術を持ったスタッフが在籍しており、患者様のリハビリテーションにあたっては、最高水準のスキルと経験を持った専門家たちが対応いたします。気鋭の若手スタッフも学びに対して非常に熱心で、定期的な勉強会や研修会を主体的に開催しており、そこに経験豊富なスタッフが講師として指導することで、若手スタッフがより一層スキルアップできる環境を整えています。また、各種学会での発表や参加を通して、日々知見を深めています。

私たちは、患者様とそのご家族の方々との信頼関係を大切にし、専門性と人間性を兼ね備えたリハビリテーションを提供することをお約束いたします。外来リハビリや訪問リハビリにも力を入れており、退院後の自立した日常生活と、より豊かな人生を送るための支援も全力で行っています。

これらの取り組みを通じて、患者様にとってより高度で質の高いリハビリテーションを提供し、地域の方々からますます信頼される医療機関であることを目指しています。

リハビリテーション科 課長

中路 一大(理学療法士)

当院のスタッフ数
(2023年4月現在)

理学療法士
(PT)
作業療法士
(OT)
言語聴覚士
(ST)
16名7名4名

部門紹介

理学療法科

理学療法とは、病気や怪我などにより、身体機能が低下した状態の人々に対して、基本的動作能力の回復を図るために、関節可動域練習、筋力トレーニング、バランス練習などの運動療法、立ち座り・歩く・階段昇降など基本的動作練習、温熱療法や寒冷療法などの物理療法を使用して治療を進めます。

対象疾患は、脳血管疾患(脳卒中、頭部外傷など)・運動器疾患(変形性関節症や骨折の術後、圧迫骨折などの脊椎疾患、腰椎症や肩関節周囲炎など)・内部疾患(肺炎や心疾患増悪後の後廃用症候など)に対して、理学療法を提供しております。

作業療法科

作業療法では、四肢の運動機能、高次脳機能に対してリハビリテーションを行います。また日常生活動作では、身辺動作(食事・整容・更衣・排泄・入浴)や家事動作(調理・掃除・洗濯・買物)の評価・練習を実施します。自宅環境に合わせた動作練習も行います。動作方法や住環境の調整(手すりや福祉用具の選定)を検討し、ご家族様へは介助方法も指導しています。高次脳機能障害等に対しては、復職・社会適応能力の獲得を目指して評価・練習を実施しています。

退院後、安全に生活できるように、また今後担う役割を踏まえて、「その人らしい生活を自律して送る」ための支援を積極的に行っています。

対象疾患として、脳血管疾患(脳卒中や外傷等)・運動器疾患(頸椎疾患、骨折など)・内部疾患(肺炎や心疾患等)と様々な疾患を対象に、作業療法を提供しております。

言語聴覚療法科

当院の言語聴覚療法では、脳卒中や頭部外傷などの後遺症で起こるコミュニケーション障害(失語症、構音障害、音声障害など)や摂食・嚥下障害(食べる、飲むことが上手く出来ない障害)の患者様に対して、リハビリテーションを実施し、コミュニケーション手段の確立、経口摂取の獲得を目指していきます。

また、作業療法科と協力し、高次脳機能障害(注意障害・記憶障害・遂行機能低下など)の評価・リハビリテーションを実施し、自宅退院や社会復帰を支援しています。

認定資格等の取得状況
(2023年4月現在)

脳卒中 認定理学療法士3名
臨床教育 認定理学療法士1名
3学会合同呼吸療法認定士3名
福祉住環境コーディネーター2級2名
日本理学療法士協会 指定管理者(上級)1名
ACLS大阪 認定インストラクター1名
中級障がい者スポーツ指導員1名
健康運動指導士1名
メンタルヘルスマネジメント1級1名
重度訪問介護従事者1名
介護職員初任者研修 修了1名
臨床実習指導者研修 修了PT6名 
OT3名 
ST3名
ボバースコンセプト基礎講習会 修了4名
ボバースコンセプト上級講習会 修了2名

施設紹介
(2023年4月現在)

リハビリテーション室

免荷装置+トレッドミル

評価用長下肢装具
(ゲイトイノベーション)

IVES⁺(GD-611)

リカンベントバイク

その他、リハビリ物品各種①

その他、リハビリ物品各種②