ボツリヌス療法について

ボツリヌス療法とは、食中毒の原因菌であるボツリヌス菌が作り出す天然のたんぱく質(ボツリヌストキシン)を有効成分とした薬剤を筋肉内に注射する治療法です。

ボツリヌストキシンには、筋肉の緊張を引き起こす神経の働きを抑える作用があります。そのため、注射することで筋肉の緊張をやわらげることができます。

なお、ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないため、感染の危険性はありません。

この治療法は、世界80ヵ国以上で承認され、広く使用されており、これまでに10万人以上の患者様がこの薬による治療を受けています。

※ボトックスの適応には、眼瞼けいれん、腋窩多汗症、美容目的のしわ取りなど様々なものがありますが、当院では痙縮治療に限定して実施しております。

 このような効果が期待できます。

                              ※効果には個人差があります。

痙縮(脳卒中の後遺症)への効果

筋肉のつっぱり(痙縮)や異常な運動姿勢(ジストニア)に対して、該当する筋肉にA型ボツリヌス毒素(ボトックス)注射液を注射して治療を行います。

A型ボツリヌス毒素は、注射した部位に作用し、手足の筋肉のつっぱり(痙縮)を和らげることで、痙縮による痛みの緩和が期待できます。治療後2〜3日から2週間ほどで効果が現れ、通常は3〜4か月間持続します。

その後、時間の経過とともに徐々に効果が薄れ、神経の働きが回復してくるため、注射前の症状が再び現れることがあります。この場合は、A型ボツリヌス毒素を再投与することで、同様の効果が得られます。

ボツリヌス療法とリハビリテーションを併用することにより、日常生活動作がより行いやすくなることが期待されます。

ボツリヌス療法のすすめかた

お問い合わせ

脳卒中の後遺症でお困りの方は、公的支援を受けることができます。ご不明な点や詳細については、入院案内係までお問い合わせください。

 矢木脳神経外科病院 06-6978-2307(9:00~17:00)